「Viento」 助川久美子/作曲
Anthony K./作詞
砂漠に 雨が降る
風を濡らし

砂漠に 雨が降る
風を濡らし

あの人は 帰らない
噂も
聞かない
あの人は 帰らない
月が
出ても

砂漠に 月が出る
砂を
照らし
砂漠に 月が出る
砂を
照らし
あの家に 帰れない
手紙も
書けない
あの家に 帰れない
空が
晴れても

砂漠を 人が往く
影を
背負い
砂漠を 人が往く
影を
背負い
あの人を 迎えよう
熱い
涙で
あの家を 目指そう
晴れた
気持ちで

砂漠に 陽が昇る
時を
刻み
砂漠に 陽が昇る
時を
刻み

新しい 道ができ
命は
絶えない
新しい 道ができ
溢れ

新しい 道ができ
命は
絶えない
新しい 道ができ
届く



アルバム
「オトナのための子守唄」から
助川久美子 vocal,woodbass
石井鉄也 acoustic guitar




2000年の夏、とあるレコード会社に営業に行った帰り道、助川久美子の頭に突然、旋律が降ってきた。その音が風になり、地球の反対側、遠い南米まで飛んでゆけ!という思いからVIENTO(スペイン語で“風”の意味)というタイトルをつけた。

私がその旋律と出会ったのは、彼女が音楽仲間とのスタジオ・セッションに招待してくれたときのことだった。ジャズ・アレンジで聴いたその曲は、たぎるような女の情念のようなものを想起させた。彼女がウッドベースを片手にスキャットで歌うそのメロディーは、私にはそのまま日本語の言葉として響いた。そしてそのままのイメージで、1番の歌詞が出来上がった。

それを見た彼女は、すぐに気に入って、2番も書いて欲しいと注文を出した。1番が女の情念ならば、2番は男の情念だろうと思い、すぐに2番の歌詞を書き、二つの情念は統合されるべきだろうと思い、続けて3番・4番の詞を書いた。彼女と会うたびに1番づつ詞を渡して、VIENTOは完成した。

そうしてこの曲は、ラテン音楽の洗礼を受けた助川久美子サウンドの原点ともいうべき、記念碑的作品となった。

文/Anthony K.